心強く生きていける本

すべての神様の十月

小路幸也 著  PHP文芸文庫

日本には昔から八百万の神様たちがいると言われています。

それは、宗教的な神ということではなく、

身の回りのものや自然など、

ありとあらゆるものに神様の存在を感じて、

日本人は生活してきました。

そんな、日本人が信じる神様たちですが、

ありがたい神様ばかりとは限りません。

なかには、

近寄りたくない、そばにいられては迷惑 というような

嫌われ者の神様もいます。

例えば、

死神や貧乏神、疫病神など。。。。。

そんな嫌われ者の神様たちも、

私たち人間の好む好まざるにかかわらず、

ちゃんとやって来るのです。

必要な時に。。。。。

この本には、

私たちがよく知る、

いろんな神様たちが出てきます。

それぞれの人のところに、

それぞれの神様が、

理由あってやって来るのです。

この本を読むと、

今まで恐れていた死神も、

大嫌いな貧乏神も、

避けておきたい疫病神さえも、

なんだか愛おしく感じます。

嫌われ者の神様たちも、

私たちを困らせようと思っているわけではなく、

ちゃんと意味がある。。。。

読み終わった頃には、

「神様がついててくれるから大丈夫!」と、

自分の人生に心強さを感じた1冊です。

いろんな神様と人間の、

様々なかかわりを描く短編集ですが、

微妙に各ストーリーが絡み合っていて、

そこも面白さの一つ。

また、神様の存在を生活の中に取り入れる、

日本の文化や、日本人の心に、

誇りを感じる1冊でもありました。

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