緩和医療医 大津秀一 新潮文庫
自分の寿命
近年の、
医学の進歩はめざましく、
人の平均寿命は、
年々延びているようです。
男性は○○歳、
女性は○○歳と、
よく目にする数字。
でも、
それはあくまで平均で、
自分の寿命がその年齢とは限りません。
もっと長生きするかもしれないし、
あるいは、
病気や何かのために、
早くあの世へ旅立つことになるかもしれない。
寿命は誰にもわからない。。。
平均寿命まで生きれば、
自分の死に対して、
向き合う意識が高まるのでしょうが、
それ以前の年齢の時は、
なかなか自分の最後の時を意識することは少ないかも。。。
自分の最後のとき、
人生の終盤で、
ほとんどの人は何かしらの後悔があるといいます。
この本は、
終末期の患者さんと向き合っている著者が、
これまでの経験から、
『人が死ぬときに後悔すること』として、
多く語られたこと、
そして、
後悔しないために私たちが今できることを、
わかりやすく、
25の項目にまとめられています。
今をよりよく生きるヒントがつまったおススメの1冊です。
健康
やっぱり、
『死』が現実にせまってくると、
これまでの自分の、
健康に対する意識や行動の不十分さに後悔することが多いようです。
間違った情報に振り回されてたり、
検診を受けて受けていなかったり、
からだに良くないことをしていたり。。。
そして、
延命治療も含め、
自分の最後をどう迎えるかなど、
自分の意思をしっかり伝えていないことも多いようです。
心
多くの人は、
毎日が日常の雑事に追われ、
気がつけば時間だけがあっという間に過ぎていきます。
そして、
やりたいことをやらなかったことに後悔をする。
やりたいこととは、
自分の心に嘘をつかないこと。
我慢することもときには大事だけれど、
我慢だけの人生にならないように。。。
今できることはさっさとやっておく。
あとでやろうと思っても、
その時にはもう遅いのかもしれないのだから。。
また、
人に優しくしてこなかったり、
悪事に手を染めたりすると、
『死』の前に後悔をする。
著者はこう述べています。
『人が見ていなくても自分が見ている。天が見ている。天が許さないという恐怖が胸を覆う』と。
生活
お金持ちじゃなくても、
残された遺産は、
トラブルの原因になることがあります。
一生けんめい介護をした人より、
全く関わらなかった人が少しでも多く遺産を受け取ることになったりすると、
相続問題でもめることもしばしば。
やはり、
元気なうちに、
遺産をどうするか、
話し合ってしっかり決めておくことは大事なことのようです。
残された大事な家族が、
自分の遺産のせいで嫌な思いをして欲しくないですもんね。
元気な時はいつでもできると思ったり、
余裕ができたらやろうと思ってしなかったこと。
例えば、
美味しいものを食べたり、
行きたいところに行ったり、
趣味に時間を費やしたり。。。
高齢や病気になってしまうと、
元気な時ほど食べられないし、体力もなくなる。
確かに今は、
お金も時間も余裕がないかもしれないけれど、
自分の身体と心が最も喜びを感じられる今、
自分にご褒美をあげることが、
結局は将来後悔しないことになるのかも。
他にもいろいろ
25の後悔。
他にもこんな後悔が。。
自分の生きた証を残さなかったこと、
恋愛や結婚、子どもに関すること、
神仏の教えを知らなかったこと、
そして最後に、
『愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと』。
この本は、
『死ぬときに後悔すること25』であり、
『後悔しないための25』ではないと著者は述べてます。
先人たちから、
人は何に後悔するのかを学ばせていただく本で、
この参考書を使って、
実際に問題を自分で解いていく。
何に後悔するのかは人によって違うのだから。。。
『自分が後悔することは何か』を、
自らに問い、
心の声にしっかりと耳を傾けて、
真剣に考えて欲しいと。。。(本文より一部引用)
本書最後に、
26番目の後悔が。
ぜひ本書を読み進め、
答えを考えてみてください。
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