木曜日にはココアを
青山美智子 宝島社文庫
人のつながり
とある喫茶店から始まるこの物語は、
短編12のストーリーで構成される。
毎週木曜日に決まってココアを注文する女性に、
ひそかに想いを寄せている、喫茶店の男の子。
喫茶店内で起こったちょっとしたことがきっかけで、
二人は言葉を交わすことに。。
さらりと書かれた文章の中に出てくる登場人物。
ほとんど意識せずに読み進めていたその人物が、
次の章では主人公として描かれる。
え?この人誰だったっけ?みたいな。。。。
そして、
その章で何気なく登場した人物が、
またその次の章では主人公。
こんなふうに、
どんどんどんどん、
クローズアップされる人物が増えていき、
微妙に、
どこかでずいぶん前に出てきた人物と繋がっていたりする。
ん?この名前どっかで出てきたぞ?みたいな。。。。
途中から、
読んでる私の頭の中は、
人物相関図が張り巡らされ、
もはや脳トレ状態。(@_@)
ストーリーよりも人間関係の方が気になってしようがない (^-^;
読み終わるやいなや、
紙とペンを持ち、
登場人物の相関図を書き始めたのでした (*^_^*)
言葉
何気なく発した言葉が、
相手にとってはとても大きな意味を持つことがある。
ときには、
誰かの人生までも変えてしまうことも。。
実際に言葉を交わした当事者じゃなくても、
その言葉に心が動いた誰かの行動で、
別の誰かの心が動き、人生が変わったりする。
言霊(ことだま)っていうけれど、
言葉にはすごい力が秘められてるんだなぁ。。。
いろんな人間関係の中で、
どの登場人物も、
素敵な言葉伝えてくれてます♡
色(color)
12の章には、
それぞれテーマとなる色があります。
その色が、
ストーリーをより深めてくれる。
それぞれの色にまつわる登場人物たちの想い。
色には、
その人の心理状態と関係があるといわれます。
良い悪いではなく、
色が持つ意味っていうのかな。
今の自分を知る手がかりにもなるし、
相手のことを知るヒントにもなるのかも。。。
自分という存在
みんな、
精一杯自分を生きてる。
誰かを好きになっても、
想いを伝えられなかったり。
できない自分を責めて自信をなくしたり。
自分の存在そのものを見失ってしまうことも。。。
だけど、
自分が気づかないところで、
自分という存在が、
誰かの役に立っている。
知らないうちに誰かを救っている。
この本は、
そんなメッセージが込められています。
ひとり、
カフェでゆっくりとこの本を読みながら、
心がじんわり幸せな気分。
注文は、
やっぱりココアかな♡
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